2022.6.19 (日) Come Rain or Come Shine
上澤梅太郎商店が運営する「汁飯香の店 隠居うわさわ」は朝ごはんの店だ。ただしその庭、幕末あるいは明治初期に建てられたとおぼしき建物、室礼により、これをお祝いやご法事の食事場所としてお使いになるお客様もいらっしゃる。今日は、先週の日曜日に引き続いて会食のご予約をいただいている。刺身湯波は9時に事務室に届けられた。それを隠居へ運ぶついでに座敷の様子を確かめる。
5月から梅雨明けまでは、気温が乱高下する。梅雨寒の日を考えて、暖房絨毯は、いまだ片付けていない。一方、照れば暑くなる。隠居の座敷は南に面して日当たりが良い。廊下の畳は既にして暖かくなっている。昼の気温は更に高くなるだろう。そこで係のタカハシリツコさんに声をかけ、各所に扇風機を出してもらう。
今日は日曜日にもかかわらず、販売係が少ない。よって昼食や休憩により人手が薄くなる時間には、僕が手伝いに入ることとする。僕の昼食は12時30分から13時30分のあいだと決められた。その時間にこの季節ならではの冷やし味噌ラーメンを食べながら、ふと気づくと外は土砂降り。今の今までは晴れていたから、まさか雨が降るとは思っていなかった。
いちど出かかった店からふたたび中へ戻り、新聞を読みつつ雨宿りをさせてもらう。
本日の日本経済新聞朝刊第8面の見出しは「迫られる『大量生産』脱却」。記事は「欧州の規制当局が『ファストファッション』に対する戦争を宣言、21世紀の衣料品業界を支配してきた使い捨て文化の再考を迫っている」と威勢よく始まっている。
記事の中にファストファッションについての定義がある。いわく「ファストファッションとは急速に変わる消費者の好みに合わせ、使い捨て同然の衣類を作る産業をさす」。
僕がいま穿いているユニクロのズボンは、2018年11月に買ったもので、継ぎを当てながら、もう3年半も保たせている。ユナイテッドアスレのポロシャツは、2014年の9月に買って以降、春夏秋と着続けて、いまだビクともしない。
僕のような服の着方をする人間は、世に希なのだろうか。
さて、13時から15分間の雨宿りをして、雨脚は幾分か収まった。その中に自転車をこぎ、会社に戻る。そして濡れたユナイテッドアスレのポロシャツとユニクロのズボンを新しいそれに着替え、13時29分に店に降りる。雨はいつの間にか収まって、外を歩く人は傘を差していない。「まぁ、そんなもんだ」と腹の中で笑って仕事に復帰する。
朝飯 ミズの炒り煮、納豆、茄子の油蒸し、生玉子、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと若布の味噌汁
昼飯 「フジヤ」の冷やし味噌ラーメン
晩飯 らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、バンブー、トマトとレタスのサラダ、パン、鶏のトマト煮、Chablis Billaud Simon 2015