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清閑 PERSONAL DIARY

2022.5.31 (火) もっとも好きな時間(上)

「もっとも好きな時間は」と問われて「ジーパンの尻のポケットに文庫本を突っ込んで『さぁ、今日はどこで飲もうか』と考えているとき」と答えたことがある。訊いてきたのは当時は白皙の美青年で、気の合う友人だった。ふたりして赤坂で2軒、西麻布で1軒、最後は乃木坂と飲み歩いた晩は、タクシーのラジオが「なだしお」の事故を伝えていた。とすればそのとき僕は31歳で、友人は32歳、ということになる。

長く会うことのなかったその友人の訃報を先日、人づてに聞いた。

「人の命は葉の上の朝露のようなもの」というくだりが浄土宗のお経にある。揺れる葉の上に精妙に留まり続ける水滴もあれば、すこしの風に滑り落ちてしまう水玉もある。僕は自分を強運の持ち主と感じている。しかしその友人も、あるいは「それほど悪い人生ではなかった」と考えていたかも知れない。

今日のズボンは薄地のもので、本は文庫本ではなく新書だから、尻のポケットは使いたくない。夕刻、その本と財布と携帯電話を小さなトートバッグに入れて日光街道を下る。


朝飯 グリーンアスパラガスの焼きびたし、牛蒡と人参のきんぴら、納豆、めかぶの酢の物、蕪と胡瓜のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と万能葱の味噌汁
昼飯 「東京ぱすた日和(ポポラマーマ)」の「上澤梅太郎商店のなめことしその実の和風ソース」のスパゲティ
晩飯 「食堂ニジコ」のお通しの人参のサラダ胡瓜のからし和え皮蛋あんかけ焼きそば、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)


美味しい朝食のウェブログ集は、こちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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