2022.5.28 (土) 狸御殿
ある独裁国家の地方都市。季節は夏。ひとけの無い昼下がりの道を、白い開襟シャツの男が歩いていく。男の家はかつては地主だったが、今は軍隊で事務仕事をしている。男は短い休暇に入ったばかりで、両腕にスーツケースを提げている。その男を3人の兵士が尾行している。
男の家はむかしのまま、寺の本堂ほどの大きさを残し、四囲には廊下が走っている。広く涼しげな玄関では娘の三姉妹をはじめ母親や妻が賑やかに出迎える。上がりがまちにふたつのスーツケースが置かれる。そこに3人の兵士が入ってくる。一家に緊張が走る。
スーツケースの中味を問われて男は「芋」と答えるが、兵士に促されて開けたスーツケースには、持ち出すことのできない自動小銃が納められていた。
このままでは男の命が危ない。死刑にはならないまでも、どこかに送られ強制労働に一生を費やし、一家は取りつぶされる。とりあえずの時間稼ぎにしても、女たちは3人の兵士を家に上げ、風呂を勧める。
兵士たちの背中を流すべく家族に指名されたのは三姉妹の長女。歳は30なかば。色白で大柄で肉付きが良い。長女はもちろん、気の進まない様子ではあるが…
と、夢はここで終わった。しかし僕は夢の中で、結末を予見していた。長女は風呂場へ行くものの、そこで一休禅師ばりの知恵と機転を働かせ、3人の兵士はほうほうの体でこの家から逃げ出す、というものだ。
さてこの物語を映画にするとしたら、監督は誰が適任だろう。木村恵吾か、はたまた鈴木清順か。しかしふたりは既にして鬼籍に入っている。だったら井筒和幸か。「一休禅師ばりの知恵と機転を働かせ」の部分が僕には思いつかないが、優れた劇作家や脚本家であれば、どうにかなるだろう。
高いところから墜ちる、あるいは目の前で人がクルマに撥ねられそうになる、そんな夢ばかりを僕は見る。しかし今朝は久しぶりに面白い夢を見た。吉兆かも知れない。
朝飯 菠薐草のおひたし、厚揚げ豆腐とシメジの中華風、刻みオクラを薬味にした納豆、ミズの炒め煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 「ふじや」の冷やし味噌ラーメン
晩飯 トマトとルッコラのサラダ、細切りのじゃがいもと人参のバターソテー、ビーフステーキ、VOSNE ROMANEE Jean Gros 1985