2022.5.19 (木) 記憶
寝室から応接間に出ると、月が床を明るく照らしている。窓に近寄り徐々に視線を上げる。月は南南西の空の、いくらか高いところにあった。時刻は3時06分。
家内は仏壇の花として白菊6輪を買う。6輪とも長く保つこともあるが、大抵は1輪ずつ元気を失っていく。6輪のうち数輪がいつまでもパッとしない、ということもある。今朝は6輪のうちの5輪を捨て、残った1輪の茎を鋏で詰めた。この1輪だけは、いまだ数日は保ちそうだ。
「旅とおなじく肉も魚も辺境というか端の部分が美味い」と、きのうの日記に書いた。辺境の旅といえばへディン、慧海、アムンゼン、ヘイエルダール、植村直己と、次々と頭に浮かぶ。それら偉業を為した冒険家の枠には入らなくても、鴨志田穣の「日本はじっこ自滅旅」はしみじみ、良い。
鴨志田穣の白眉は「焼き鳥屋修業」と僕は感じている。これは現在「遺稿集」に納められている。「遺稿集」の解説は伊集院静が書いている。その題名を僕は「鴨志田さんの文章」と記憶していた。しかし正しくは「鴨志田穣の文章」だった。「鴨志田さんの…」と敬称が付けられていると思い込んだのは、追悼文ともいえるその解説が、鴨志田穣への尊敬に満ちているからに違いない。
朝飯 油揚げと小松菜の炊き合わせ、トマトのスクランブルドエッグ、牛蒡と人参のきんぴら、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、若布と油揚げの味噌汁
昼飯 「鳥よし」の豚カツ定食
晩飯 らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、いぶりがっこ、オールドイングランド、レタスとポテトのサラダ、TIO PEPE、2種のパン、ラタトゥイユを添えた鶏の香草焼き、VOSNE ROMANEE Jean Gros 1985