2022.5.5 (木) 胸突き八丁
黄金週間は、今日が胸突き八丁だろう。胸突き八丁といえば真っ先に、仙丈ヶ岳へ近づいていこうとするときの八丁坂を思い出す。
自由学園の遠足は登山である。もっとも辛かったのは、高等科1年のときの富士山だ。「富士山など子供でも登れるだろう」と言われれば、我々のそれは、そういうたぐいのものではない。先ず、馬返しから森林帯を抜けるだけで、既にして疲労困憊である。八合目が迫ると、高山病により食べたものを吐く者が出てくる。山開きの前で、雪も降る。1972年の山小屋は、まるでタコ部屋を思わせた。
翌日は須走を駆け下りて、そのまま御殿場の駅まで15キロを歩いた。雪に反射する太陽光に焼かれた顔は、表情を変えるたび、激しい不快感を皮膚に覚えさせた。
高等科2年の前穂高は、四肢を使ってガレ場をよじ登る怖さを感じない者には楽だった。僕もそのひとりで、頂上に達したときは「あれ、もう終わりか」と呆気にとられた。仙丈ヶ岳の馬鹿尾根を登り降りしたのは高等科3年のときのことだ。
終業後は週に1度のミーティングを開く。胸突き八丁を越えても登り降りは続く。粛々と、歩を進めるのみである。
朝飯 ひじきと梅肉のふりかけを薬味にした冷や奴、生玉子、生のトマト、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、たけのこごはん、コンビーフと小松菜の味噌汁
昼飯 2種のサンドイッチとレーズンパン、コーヒー
晩飯 めかぶの酢の物、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、手巻き鮨のたね其の一、其の二、「齋彌酒造店」の「雪の茅舎秘伝山廃純米吟醸」(燗)、西瓜