2022.5.2 (月) 夏の予感
四季の中では夏が最も好きだ。日差しはきつく湿度は高く、やたらと汗をかき、しかし井戸のそばの、椰子の木と木のあいだに張り渡したハンモックでのんびり寝ているわけではないから、頻繁に水を浴びることもできない。肉体は不快でありながら、なお夏が好きとは、どのような理由によるものか。それは多分、夏の持つ原始的な生命力、緑濃く繁った植物、朝に啼く鳥や虫の声、青い空に沸き上がる巨大な積乱雲などに抗いがたく惹かれるからに違いない。
幾重にも服を着なければ凌げない冬が終わり、春が来ると、胸をなでおろす気分になる。ふと気づくと朝は随分と早くから明るくなり、夕刻も、しばらくは暗くならない。しかしその春には独立した季節というよりも「冬と夏のあいだ」という、宙ぶらりんな印象が僕にはある。志ん生流に言えば「シャツの三つ目のボタン」である。
5月の何が嬉しいかといえば、夏の予感の増してくるところが嬉しい。湿度は低く、朝夕の空気は冷涼ではあるものの、日はいよいよ高く、若緑が目に眩しい。
先月29日の朝は隠居へおもむき、連休中の予約について、家内、長男、タカハシリツコさん、僕との4人ですり合わせをした。そのときは特に気づかなかったものの、2日後のきのうの庭には藤とツツジが満開だった。水辺の菖蒲も多分、僕の知らないうちに花を開くだろう。
朝飯 生玉子、にんにくのたまり漬を薬味にした納豆、めかぶ、ひじきと梅肉のふりかけ、柴漬け、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、大根とレタスのサラダ
昼飯 ラーメン
晩飯 トマトと胡瓜のサラダ、カレーライス、Old Parr(水割りのお燗)、マンゴー牛乳