2022.3.28 (月) チキュー
「味の手帳」の出版元である「株式会社味の手帳」は、毎年「味のカレンダー」という日めくりカレンダーを出す。ウチにはこれがなぜか毎年、届く。
日めくりカレンダーを日々めくるのは面倒だ。それが部屋の、自分が位置するところから遠く、しかも高いところにあったりすると、面倒さは更に増す。しかし「味のカレンダー」は卓上や食器棚に置いてちょうど良いようにできている。しかも毎日毎日、食べものについてのことが150から180文字ほどで書かれている。書いているのは複数の料理人や食いしん坊だ。だからこの日めくりカレンダーは例外的に、めくることに喜びがある。
3月28日のそこには伊藤章良という人が鮪について書いていた。彼が最も美味く感じた鮪は東京の高額鮨屋ではなく、ボストンの和風居酒屋で出された大西洋ものだったという。文章は「漁法やエリアではなく地球は一つと感じた瞬間だ」で閉じられていた。
行きつけだった銀座の「鮨よしき」のあるじは、ウェブ上の情報によれば、鮪の産地を客に訊かれて「チキュー?」と答えたらしい。僕と同様、商売が下手だった割に激戦地で生き延び、現在はビルの建てかえによりお休み中だという。どこかで仕事を再開したら教えて欲しい。
ところでボストンといえば、レッドソックスよりロバート・B・パーカーの方が僕には馴染みがある。スペンサーシリーズは隨分と読んだ。そして月並みな意見だろうけれど、とどめを刺すべきは、やはり「初秋」と思う。
朝飯 切り昆布の炒り煮、キャベツとポテトのサラダ、焼き鮭、豆腐干絲と青葱の油和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、沢庵、メシ、蕗のとうの天ぷらの味噌汁
昼飯 焼き鮭、ごぼうのたまり漬、沢庵、梅干のお茶漬け
晩飯 めかぶの酢の物、蕪のぬか漬け、「旭酒造」の「獺祭純米大吟醸磨き二割三分」(冷や)、菠薐草と赤パプリカの白和え、菜花のおひたし、しもつかり、人参と八朔の酢の物、鶏とコンニャクの炊き合わせ、「福禄寿酒造」の「一白水成槽垂れ純米吟醸」(冷や)、“Briest”のパリ・ブレスト「ブリエスト」、Old Parr(生)