2022.3.7 (月) しもつかり
家内はしもつかりを、おばあちゃんから教わった通りに作るという。僕ならあれこれ自己流で手を加えそうだ。僕が物作りや技芸に上達しないのは、ひとえに「教わった通りにやらない」性格によるものと思う。
「お父さんがゴルフをしないのは、仕事やつきあいの側面が強いからでしょ」と長男に訊かれたことがある。「いや、基本に則って練習しなくては上達しない、というものごとすべてがオレは嫌いなんだよ」と答えると「だったら、ほとんどのことがダメじゃん」と、長男は笑った。
しもつかりは、できたての温かい状態では食べる気がしない。というか、不気味でさえある。むかしの台所は寒かった。その時代には、しもつかりはしばしば凍ったという。僕はきのう、しもつかりの大鍋を、生活している4階ではもっとも寒い、廊下の北西側の机に置いた。
6時30分、小鉢とお玉を手に廊下のどん詰まりへ行く。そして大鍋の中味を小鉢に盛る。今年のしもつかりが塩気に欠けるのは、今年たまたま選んだ塩鮭の頭が塩辛くないからだという。教わった通りに作っても、しもつかりの味は時代と共に変わっていくのだ。
朝飯 納豆、ポテトサラダ、しもつかり、めかぶと松前漬けの混ぜ合わせ、すぐき、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、蕗のとうの天ぷらの味噌汁
昼飯 ハムと長葱のスパゲティ
晩飯 二十日大根と紫キャベツのサラダ、カレーライス、らっきょうのたまり漬、TIO PEPE、ドーナツ、Old Parr(生)