2022.3.12 (土) 筑後途上五絶
ウチにある80余の掛け軸のうち「まぁまぁ」と専門家に言われたもの、そこに「これもまた悪くない」と僕が感じたものを加えると38軸になる。このうちの17軸を、先月26日にコンピュータに整頓した。
80余軸を倉庫の棚に見たときからうすうす気づいていたことではあるが、季節は秋のものが圧倒的に多い。日本では、秋こそ絵になる季節なのだろうか。あるいはこれらを集めた4代、5代前の人の好みを映してのものだろうか。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」の庭には梅が咲き始めた。庭に梅、床の間も梅では何やら季重なりのようで具合が悪い。小杉放菴による「梅花」を下げたとして、他には何があるだろう。そして先月26日に入力したばかりの一覧を見る。春に関わるものは、果たして野村素軒の「筑後途上五絶」のみがあった。書道教室を営む先輩タケムラキヨシさんに助けていただきながら解読した文字は、以下の通りである。
行尽連山険
如看平野長
天鵯聲不絶
十里菜花黄
1982年2月20日、早朝ポカラを出発したバスがいくつも山を越え、夕刻、最後の峠に達すると、眼下のカトマンドゥには一面に菜の花が見えた。野村素軒が九州に遊んだのも、おなじく2月の終わりごろだっただろうか。
日光に菜の花は、いまだ咲かない。「筑後途上五絶」は、きのう白木屋に頼んだ「佳更」の額装が成るまで掛けておけるだろう。
朝飯 牡蠣の醤油煮、納豆、しもつかり、蓮根のきんぴら、すぐき、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 「CoCo壱番屋」のポークカレー、野菜サラダ
晩飯 じゃがいもと人参とピーマンのサラダ、たたき胡瓜のにんにく風味、春子漬け、冷や奴、水餃子、「紅星」の「二鍋頭酒」(生) 、林檎のゼリー、TIO PEPE