2022.3.6 (日) 初午
家内により、しもつかりは一昨日の午後から昨日の夜にかけて作られ、赤飯は今早朝に蒸し上げられた。本日は旧暦の初午にて、このしもつかりと赤飯に日本酒を添えて、朝、6時30分にお稲荷さんにお供えする。
しもつかりは塩鮭の頭、鬼おろしでおろした大根と人参、大豆、そこに酒粕を加えて煮た栃木県の郷土食だ。僕はその得体の知れない見た目を恐れ、長く食べず嫌いを通してきた。それを覆したのは並木蕎麦の当時の店主アオキウイチさんである。
「こういうものを食わねぇから体が弱いんだ」と、アオキさんは鉢に盛ったしもつかりを差し出した。父親の同級生にそこまで言われれば仕方がない、ひと箸すくって食べてみれば、それは得も言われず美味かった。その27歳からこのかたは、しもつかりの作られる今の季節を楽しみにしている。
この時期にはまた、日光の居酒屋ではしもつかりをお通しにすることが珍しくない。いちど、関西から出張で来た人が市内の居酒屋でいきなりしもつかりを出され、それを躊躇うことなく口にする様子を目撃した。僕は心の底から感嘆し、且つ、その人を畏敬した。しつこいようだが、食欲をそそる見た目では、決してないのだ。
今年のウチのしもつかりは、大根の質によるものか、甘い。塩気も少なく、だからごはんのおかずにはなりそうもないけれど、取りあえずは朝食の膳に載せてみた。しもつかりは、これから1週間ほどは楽しめると思う。
朝飯 牡蠣の醤油煮、納豆、切り昆布の炒り煮、しもつかり、牛肉と牛蒡と「しいたけのたまり炊」のすき焼き風、すぐき、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと長葱の味噌汁
昼飯 梅干、揚げ玉、すぐき、ごぼうのたまり漬、塩鰹のふりかけのお茶漬け
晩飯 刻みキャベツとポテトサラダを添えたハムエッグ、トースト、TIO PEPE、Chablis Billaud Simon 2015