2022.3.25 (金) 団体旅行考(下)
団体旅行は「見物」を廃して「道中」と「飲み食い」のみで構成しても差し支えはない、あるいはその方が却って思い出に残ると、今月4日、および10日の日記に書いた。そこから更に「道中」のみ、「飲み食い」のみにしてしまったら、それでも楽しいか、ということを今日は書きたい。
日本ヒッチハイカー連盟会長の和智香による「親指一本の旅」という本がある。年に2度の国内大会を催してきたこの団体は1976年、東京発アテネ着の国際大会を実現させる。参加を表明したのは300名の会員のうちの11名。彼らは7月25日、上野の西郷隆盛像の前に集合する。以降は離合集散を繰り返し、期限の10月までにアテネに辿り着いたのは10名。1名はパキスタンで病気に罹り、ペシャワールで療養をしていた。この旅が楽しいか否かといえば、参加した人たちは間違いなく楽しかっただろう。ほぼ「道中」のみの旅である。
2016年6月、僕は第1回バンコクMGに参加をした。講師のタナカタカシさんによれば、参加を表明した第1号は僕だったらしい。バンコクMGは年に4度の開催。僕は2020年3月まで、毎年1度は顔を出し続けた。
新型コロナウイルスの出現により海外への渡航が自由でなくなる直前の2020年3月、僕は羽田からウドンタニーへ飛んだ。バンコクに南下をしたのは4日後。その日は日本の各地、タイの各地から集まった人たちと夕食を共にした。翌日と翌々日の2日間は、朝から夕方までマネジメントゲーム。僕は諸般の事情により、ゲーム後の食事会は2日目のみ参加をする。
日本ヒッチハイカー連盟の「東京からアテネ」が「ほぼ道中」の旅なら、このバンコクMGは、マネジメントゲームを除けば「ほぼ飲み食い」の旅といえる。「楽しいか」と問われれば、コロナ騒ぎが収まった暁には、次のバンコクMGの日程を、僕はただちにタナカさんに問い合わせるだろう。
結論。団体旅行は、その内容を削ぎ落として「道中」と「飲み食い」のみに絞ると面白さは倍増する。更に「道中」と「飲み食い」のどちらかを省いても、それはそれで楽しい。そのような旅は、旅行社では企画が難しい。しかし個人であれば、どうにでもなる。「一度、やってみたらどうですか」と、強く思う。
朝飯 切り昆布の炒り煮、ブロッコリーのオムレツ、筑前煮、納豆、沢庵、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、若布と菠薐草の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 チーズ、TIO PEPE、ポテトサラダ、焼きトマトとスナップエンドウを添えた豚肉のソテーマッシュルームソース、Chablis Billaud Simon 2015