2022.2.20 (日) 無骨で野蛮
インターネットを介した買い物のすべては、メーラーの「通販」というフォルダに自動的に記録をされる。しかしベルスタッフのツアーマスタートロフィージャケットの情報は、どこにも見あたらない。よって購入の時期、店、価格は、今となっては不明である。
オートバイによる転倒を想定したこの上着については、2004年6月に”MY FAVORITE”に文章を書いた。ワックスを染みこませることにより木綿に防水性を持たせる、という原始的な処理は、英国人の得意とするところだ。その無骨さは、裏庭の納屋に保管されてこそ似合いそうに感じられる。
上着は、手に入れて間もないころ、当時、桜木町にあったサイトークリーニングで手洗いをしてもらった。2006年以降は、僕の知る限り15回、着用に及んだ。15回とはいえ、それはエンジンオイルの霧がスカットルから操縦席に流れ込むような条件の下で、だった。目立ちはしないものの、隨分と汚れているに違いない。
そういう次第にて先月、これを洗濯に出した。仕事は木和田島のクリーニングブランドに頼んだ。裏庭の納屋に保管をするわけではないから、ドライクリーニングで洗うよう注文した。それでは風合いの変わる可能性があると、店主のヤナギハラさんは心配をした。それでも構わないと、僕は答えた。
英国製の野蛮な上着は3週間を経て戻ってきた。風合いの変化は感じられなかった。生地の表面にはいまだ油分が残り、手触りはしっとりとしていた。満足のいく仕上がりである。これまで階段室の階段の手すりにぶら下げていたそれは、寝室の箪笥に移された。
洗濯に出す前まで、この上着の重さは2Kgあった。それが戻ってきたときには1.7Kgになっていた。300グラムがワックスの分だったとすれば、驚く他はない。
僕が死んだときにはこれを着せてもらいたい気持ちもあるが、生地が硬いため、多分、手こずるだろう。燃やしてしまうのも勿体ない。オートバイあるいは屋根を持たないクルマの乗り手が譲り受けて、着てくれれば有り難い。
朝飯 カレーライス、生玉子、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、長葱の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 春菊のおひたし、揚げ湯波と大根と大根の葉の味噌汁、2種の茸のソテーを添えた鮭の味噌酒粕漬け焼き、たまり漬「ふわふわ大根」、らっきょうのたまり漬、自家製ふりかけ、「宇都宮酒造」の「四季桜貴酒特別本醸造生酒」(冷や)、「久埜」の菓子、Old Parr(生)