2022.1.8 (土) 好みは人それぞれだろうけれど
上澤梅太郎商店が運営する朝ごはん専門店「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、本日より今年の営業を始める。きのうまでにご予約をくださったお客様は11名様。そのうち8名様は、昨年の8月19日にお問い合わせをいただいていた。正月の賑わいも少し落ち着いたころに、鬼怒川の温泉と日光の二社一寺を2泊3日で巡る、その途次に隠居で朝食という、いかにも楽で楽しそうな企てである。
人に訊かれるたび「日光は、真夏と真冬が良い」と、僕はお伝えをしている。ゴールデンウィークや紅葉狩りの季節では決してない。「人の行く、裏に道あり、花の山」なのだ。
そういえばある夏には、隠居で朝食をお召し上がりになり、午後は日光の川のほとりにテントを張って、たったひとりで早めの晩酌を始めたお客様がいらっしゃった。肴はコンビニエンスストアの総菜だったかも知れない。しかしそこにオマル・ハイヤームがいれば「心は王侯の栄華にまさるたのしさ」と嘆じたに違いない。
とかく日本人の旅行は「短い日程で、できるだけ遠くへ出かけて、できるだけ多くの場所を見物」しようとする。それが楽しいか否かは別として、そうしなければいけないという、脅迫観念のようなものがありそうだ。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」にいらっしゃってくださったお客様からもっとも多くいただくお言葉は「ゆっくりできて良かった」というものだ。時間こそ、一番の贅沢ではないか。「人間らしくやりたいナ」である。
朝飯 牛肉の生姜煮、めかぶの酢の物、生玉子、広島菜漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと揚げ湯波と若布の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 ブロッコリーのマヨネーズ和え、「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」で漬けた松前漬け、カツ煮、広島菜漬け、メシ、「山本合名」の山廃純米「天杉」(燗)