2021.12.30 (木) 日光の美味七選
製造現場から4階の食堂に戻る。例幣使街道の、杉並木の向こうの空を、いまだ姿を現す前の朝日が赤と金色に染め始めている。好天はいつでも有り難い。
先月27日や30日の日記に書いた「日光の美味七選」の、今日は出荷日だ。地元で優れた品々を作り続けている方たちが朝から続々と、品物を届けてくれる。そのたび小口現金の手提げ金庫から支払いをする。年末のこの時期には特に、充分な現金が欠かせない。
午後1番にて荷作り場へ行く。先ずは蕎麦と蕎麦つゆの器をひとつの袋にまとめていく。そしてそれらが確かに40組あることを確かめる。そこに嫁のモモ君と研究開発係のマキシマアキコさんが手伝いに来る。彼女たちには先ず、他の諸々が確かに40ずつあるか数えてもらう。そのうち長男がそこに加わる。僕は他の仕事に従うべく、その場を離れる。
かつて僕がしていたことを、若い人たちが次々と担ってくれる。この状況はすごく楽だ。「腑に落ちないのは酒を売る人々のこと」と、オマル・ハイヤームは詠んだ。院政を敷こうとする人、自分の仕事を手放すまいとする人こそ僕は不思議でならない。
数時間を経て「日光の美味七選」はすべて荷作りを終えた。これらの品物が、お客様の年末年始の食卓を、より楽しくしてくれることは間違いない。今年もいよいよ残り1日と半分、である。
朝飯 揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、納豆、スクランブルドエッグ、壬生菜漬け、千枚漬け、胡瓜のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、なすのたまり漬のからし和え、メシ、豆腐と長葱の味噌汁
昼飯 梅干、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、壬生菜漬け、ごぼうのたまり漬、なすのたまり漬のからし和え、塩鰹のふりかけのお茶漬け
晩飯 厚揚げ豆腐と小松菜の炊き合わせ、大根おろしを添えた鰤の照り焼き、上澤梅太郎商店の松前漬け、2種の蒲鉾、上澤梅太郎商店の塩らっきょう、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)、「鶴屋安藝」の「利休饅頭」、Chablis Billaud Simon 2015