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清閑 PERSONAL DIARY

2017.3.22 (水) 理由

地平線まで見渡せる広大な平原に、直径100メートル、高さもやはり100メートルほどの柱状の台地が、ポツリとひとつだけ垂直に盛り上がっている。台地は、細くて長い、芝生のような草で覆われている。吹きわたる風が、その草を、まるで動物の毛のように波打たせている。

台地の端にはラマ教のゴンパが建っている。そこでは複数の僧が修業をしているに違いない。しかし耳に届くのは風の音のみだ。

2012年6月に亡くなったはずのおばあちゃんが、そのゴンパに向かって歩いて行く。台地の端は直角に切れて、その先は100メートル下まで遮るものはない。スタスタと、その端に向かっていくおばあちゃんが草に足を取られれば命は無い。

早足でおばあちゃんに近づくと、おばあちゃんはクルリときびすを返した。草に足を取られたのは僕の方である。

両手で草を掴み、断崖からなんとか這い上がろうとする。しかし草は滑り、あるいは1本ずつ千切れていく。その脇の草をつかみ直しても、やはり草は滑り、プチプチと切れていく。

恐怖にかられてうなり声を上げる。その声ははじめ夢の中のものだったけれど、そのうち現実のものとして耳に認識をされ始める。やがて自分が夢を見ていることに気づく。一方、不思議なことに、このまま眠っていたい気持ちもある。

それでもやがて目を覚ます。枕の下からiPhoneを取り出し見ると、時刻は2時50分。外には強風が吹き荒れている。

高いところから落ちそうになる夢は怖い。落ちそうになるどころか落ちてしまう夢もある。地面に墜ちた瞬間は実際に、からだに衝撃を感じる。しかしその衝撃は「コツリ」というほどの軽いもので、半覚半醒の中で案外、気持ちが良かったりする。

高いところから落ちそうになる夢、高いところから落ちてしまう夢。このふたつの夢とは、子供のころからの長い付き合いだ。それを見る理由は分からない。

8時30分より会社の健康診断が始まる。体重は昨年と変わらない59.5Kgだった。


昼飯 「大貫屋」の味噌ラーメン
晩飯 干し納豆、“TIO PEPE”春雨サラダキャベツと豚肉の酒蒸し「奄美大島酒造」の黒糖焼酎「浜千鳥乃歌」(お湯割り)胡麻汁粉

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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