2021.10.14 (木) 焼け跡
先週金曜日、店にある冷蔵ショーケースの1台が、異音を発し始めた。その音は、温度調節のためにモーターが動いたり止まったりする、その断続音を極端に大きくしたようなものだった。今にも壊れるのではないかと、販売主任のハセガワタツヤ君は心細そうだ。よって東京にあるショーケース屋の営業担当者に電話を入れ、今週月曜日の修理の予約を入れた。
音はしかし、翌日の土曜日にはまったく聞こえなくなった。月曜日に来た修理担当者は「音については実際に聞いてみなければ何とも」と困り果て、作業報告書には「原因不明」と記録して去った。
「音のことを言われるのが一番イヤだ。音は、状況により出たり出なかったりする。音をあらわす言葉は多く抽象的で、理解することが難しい。持ち主には聞こえて自分には聞こえない音もある」と、自動車の修理に関わる人がむかしどこかに書いていた。まぁ、その気持ちは良くわかる。
ビジネスフォンの主装置や無停電装置やモデムなどは、事務室の高いところの棚にまとめている。きのうより、ここに置かれた機械のうちのどれかが音を発し始めた。冷蔵ショーケースのようなことになってもいけないため、今日まで待って、NTTに点検を頼んだ。音は、変電所に近づくと聞こえる「うなり」のようなもので、これは説明がしやすかった。修理の担当者は、原因を突き止めることができるだろうか。
初更、来週月曜日の予約をすべく、iPhoneから行きつけの店に電話を入れる。しかしいつまでも発信音は聞こえない。よって目の前の黒電話からかけ直す。緊急事態宣言の解除を受けて、その店は通常の営業を取り戻していた。
戦後の焼け跡で、むかし世話になった旦那を発見した仁輪加師の二代目一輪亭花咲は、思わず駆け寄って「大将、わてだす、花咲だす」と声をかける。激戦地の「行きつけ」がコロナ下に生き延びたことを確かめるたび、僕はこのときの花咲とおなじ気持ちを感じないわけにはいかない。
朝飯 きのうの焼き鳥の残りによる親子丼、シメジと榎茸とトマトの味噌汁、「夏太郎らっきょう」、ごぼうのたまり漬
昼飯 ラーメン
晩飯 ポテトサラダと刻みキャベツ、コーンポタージュスープ、串カツあれこれ、「夏太郎」らっきょう、麦焼酎「こいむぎやわらか」(生にTIO PEPEを少々)