2021.10.8 (金) 汁飯香
長男が主に担当している取引先の方があるとき「汁飯香の店 隠居うわさわ」にいらっしゃろうとして「一番のお勧めは何ですか」とお訊きになった。長男は「汁飯香です」と、お答えをした。「汁飯香」は、隠居では松竹梅の梅にあたる、もっとも安価な「お決まり」だ。
上澤梅太郎商店の店の古箪笥には汁飯香の、それぞれの器がお膳に載せられ、置かれている。そしてそこには「一汁一菜」の説明が添えられている。この「一汁」には飯と香(漬物)が含まれる。長男が「一番のお勧めは」と訊かれて「汁飯香」と即答をしたのは、それが和食の基本形に他ならないからだ。
そういえば先日、隠居係のタカハシリツコさんから興味深いことを聞いた。
そのとき隠居にはふた組のお客様がいらっしゃった。ひと組のお客様は「一汁七菜膳」をお召し上がりになっていた。もうひと組のお客様は「汁飯香」をお召し上がりになっていた。その「一汁七菜膳」のお客様が「汁飯香」のお客様の方を見遣って「あれが理想なのよ」と、タカハシさんに打ち明けられた、というのだ。
そのことを僕はすぐに、長男に伝えた。長男が満足げに笑ったことは、言うまでもない。
朝飯 筑前煮、めかぶの酢の物、焼き鮭、納豆、蛍烏賊の沖漬け、「夏太郎」らっきょう、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと大根と若布の味噌汁
昼飯 冷やし中華
晩飯 生ハムのサラダ、カレーライス、らっきょうのたまり漬、チーズのたまり浅漬け、SMIRNOFF VODKA(ソーダ割り)、「久埜」の豆大福、Old Parr(生)