2021.10.4 (月) すっくと
「汁飯香の店 隠居うわさわ」には、今週の木曜日に取材が入る。「だから」というわけではないけれど、床の間の絵は庭の木々を映したような緑のものから、暖かみのある朱色のそれに換えた。床脇には、ここひと月かふた月のあいだ、朝鮮の小函を置いてきた。それを、2009年秋にタイ最北部の山の中で手に入れた土瓶に換えた。
「タイ最北部の山の中」などと書けば、まるで島津法樹の「骨董ハンター南方見聞録」めくが、当該の土瓶は骨董品ではなく、価格もせいぜい1,200バーツくらいのものではなかったか。
先週の台風以来、晴れの日が続いている。今日も晴天にて、その朝の光の差し込む様子を確かめようとして隠居へ行く。
隠居には、お客様をご案内する以外は裏の柴折り戸から出入りをする。今朝もそうしたところ、玄関の前に、お客様がおひとり立っていらっしゃった。時刻は多分、8時57分くらいだったと思う。お客様は、予約をされた9時まで、そこで待つおつもりのようだった。僕はその律儀さに驚き、声をおかけしながら早足に近づいて、お客様の代わりに硝子戸を引いた。
床の間の朱色の絵は、朝のうちは庭からの日差し受けて光るから、正面からでないと、味わいは得られない。一方、緑の釉を薄くかけまわした土瓶は、床脇の陰影の中に、すっくと背を伸ばしている。
朝飯 めかぶの酢の物、生玉子、納豆、牛肉のそぼろ煮、糸こんにゃくの明太子和え、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、長芋のたまり浅漬け、メシ、トマトとズッキーニの味噌汁
昼飯 「大貫屋」のオムライス(ケチャップはかけないでね特注)
晩飯 コーンポタージュスープ、レタスのサラダ、スパゲティボロネーズ、TIO PEPE、Chablis Billaud Simon 2015