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清閑 PERSONAL DIARY

2021.10.2 (土) 垂直

昼間、鰻の「魚登久」の前を通りかかると、青いアルピーヌA110と、ドイツ車には詳しくないからモデル名は知らない、とにかく第二次世界大戦中の、アメリカの戦闘機に描かれた”shark mouse”のような顔つきの銀色のメルセデスが駐まっていた。

先月、鰻が食べたくなってこの店に問い合わせたところ、営業は昼のみとのことだった。しかし緊急事態宣言は明けた。よって夕刻に電話を入れてみる。夜の営業は再開されていた。

「魚登久」の胆焼きは、肝の数が多い。その本体は舌ざわりが柔らかく、管の部分は歯ごたえが良い。お酒は決まって片山酒造の酒粕焼酎「粕華」を注文する。鰻重は、酒の肴にしながら少しずつ大切に食べる。

2本の鉄の角棒を、1000分の1度の狂いもなく垂直関係に溶接できる職人がいる。しかしそれは、人の目からは必ずしも垂直には感じられない。一方、やはり2本の角棒を組み合わせ、垂直ではないものの、完璧に垂直に見える絵を描く構造画家がいる。ここにひとりの垂直ヲタクが現れたら、彼はどちらを支持するか。

帰宅するなり入った風呂の湯に浸かりながら、そのような夢を見る。


朝飯 切り昆布の炒り煮、納豆、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、秋刀魚の梅生姜煮、海老豆、らっきょうのたまり漬、長芋のたまり浅漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、缶詰の鯖とトマトと長葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」のタンメン
晩飯 「魚登久」の胆焼き鰻重、お吸い物、漬物、「片山酒造」の酒粕焼酎「粕華」(生)


美味しい朝食のウェブログ集は、こちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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