2021.9.16 (木) 練習と克服
おとといときのうの日記を書いても、朝食まではなお時間がある。よって本棚から読みさしの「考える胃袋」を食卓に持ち来て開く。
タイの、特に麺を商う店では大抵、4種の調味料が卓上に置かれている。それらはすなわち唐辛子の粉、唐辛子を漬け込んだ酢、魚醤、そして砂糖だ。これについて石下直道は上記の中で「砂糖を入れるのはわたしにはどうも…」と言う。
それに対して森枝卓士は、日本に長く住みながら、魚の佃煮にだけは馴染めないイタリア人を例に挙げて応える。西欧では魚料理に砂糖は用いない。イタリア人の佃煮嫌いも、その習慣によるものだろうという推理だ。
石下直道は「食生活を探検する」や「リビア砂漠探検記」を書いた人だ。「わたしにはどうも…」とは「自分から進んですることはない」くらいのところだろう。「西欧では魚料理に砂糖は用いない」については、どうか。砂糖は用いなくても、甘いバルサミコ酢をソースに加えるくらいはしそうだ。
僕は、苦手な食べものがあれば、とにかく食べる。食べて食べて、また食べる。そうして自分の口を慣らせてしまう。
「勉強とはみずから勉め、みずから強いること」と、高等学校時代の国語教師ヤマグチヒカル先生はおっしゃった。僕が自らを強いて頑張れるのは「喰うこと」をおいて他には無いような気がする。「カブト虫の殻を剥いて、中のものを生で食え」と言われれば、それはちと無理だろうけれど。
朝飯 納豆、茹でたブロッコリーと生のトマト、冷や奴、長芋のたまり浅漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、舞茸の天ぷらと若布の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」のラーメン
晩飯 マッシュドポテト、グリーンアスパラガスと茸のソテー、紅白なますを添えたビーフステーキ、生姜とにんにくのたまり漬によるステーキソース、Chateau Leoville Las Cases 1984