2021.9.1 (水) 絶え間なく多くの
タイはで税制の関係から、よほどのことがない限り、またよほどの下手を打たない限り、金持ちは何代にも亘って金持ちでいられる。チェンライ郊外のホテルにいて、空港まで送ってやると、そんな金持ちに言われた。
金持ちは前後にプロペラを持つ大きなヘリコプターに乗り込んだ。一方、僕にあてがわれたのは、むかし全日本空輸の飛行機の垂直尾翼に描かれていた、レオナルド・ダ・ヴィンチが考えたヘリコプターの、現代版のような代物だった。
それは直径1センチほどのアルミニウム管で組まれた一人乗りだった。座るところはアルミニウムの輪、頭上にやはりアルミニウムのすこし小さな輪があって、それを右手で握る。シートベルトは無く、手を放したら即、落ちる。タイ北部の田園を眼下に望みながら、生きた心地がしなかった。
日本の、その田舎街の色は鮮やかだった。建物や看板は、夏の午後の日を浴びて目に眩しかった。古い街道らしい目抜き通りを、町内のカトーさんの運転するクルマで走っていた。板張りの外壁を持つ、まるで酒蔵のような豪壮な居酒屋が目に付いた。「まーず、せっかちなんだ」と、カトーさんは僕のおじいちゃんとの旅を懐かしんで、話してくれた。
ヘリコプターと居酒屋のあいだにも絶え間なく多くの夢をみたものの、それらについては覚えていない。
朝飯 鶏とマカロニのグラタン、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、揚げ湯波の甘辛煮、胡瓜のぬか漬け、柴漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、天ぷらと長葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」の五目そば
晩飯 山葵漬けを添えた蒲鉾、めかぶの酢の物、モロヘイヤのたたき、生のトマト、「夏太郎」らっきょう、胡瓜のぬか漬け、お多福豆、蓮根と人参のきんぴら、大根おろしを添えた秋刀魚の塩焼き、サッポロ焼酎(生にTIO PEPEを少々)