2021.8.3 (火) 隠居の手入れ
2013年に102歳で亡くなったおばあちゃんは、隠居で生まれ育った。おじいちゃんが増改築を繰り返した建物は、おじいちゃんが亡くなった1982年の数年後に、元の姿に戻された。また、そのとき加えられた部分もある。
加えられた大きな二つとは、廊下の畳と雨水受けだ。板張りだった廊下には畳が敷かれ、また屋根の雨樋は廃されて、建物の四囲に雨水受けが設けられた。これにより、毎年大輪の花を咲かせた牡丹は失われた。しかし古建築に詳しい人によれば、以降30数年のあいだ建物を湿気から守ったのは、この雨水受けだという。
隠居は建てられて150年は経っている。縁の下も含めて湿気てはいないものの、小まめな手入れは欠かせない。
今日は、南西に面した側根太の中央に大きく修理を加えた。傷んだ部分を取り除き、そこに新しい木を接いだのだ。大工のタケダタツキさんによれば、今日の工事により廊下は6ミリ持ち上がった、また畳を剥がした廊下の檜には継ぎ目が見えず、一体全体、どのような技術を用いたものか、今では想像もつかないとのことだった。
僕としては、廊下は元の板張りに戻したい。しかし普請道楽でもなければ、お金は出しづらい。三姉妹の次女だったおばあちゃんがもっぱら遊んだという茶の間は、今は「汁飯香の店 隠居うわさわ」の厨房の一部になっている。
朝飯 牛肉のすき焼き風、菠薐草のおひたし、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、納豆、山葵漬けを添えた刺身湯波、蕪と胡瓜のぬか漬け、メシ、若布とオクラの味噌汁
昼飯 焼き鮭、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、ごぼうのたまり漬、梅干のお茶漬け
晩飯 トマトとグリーンアスパラガスのサラダ、「パンいしづか」の3種のパン、豚肉とエリンギのクリーム煮、桃とモッツァレラチーズのカクテル、Chablis Billaud Simon 2015