2021.7.14 (水) このところ
花森安治の「一戔五厘の旗」を読み始めて2日後の先月12日、この本に収められた29の文章について「日にひとつずつ読めば、ひと月で読み終える」と日記に書いた。実際には35日をかけて、本日ようやく読み終えた。
花森の文章は、非常にくどい。同じことを何度も書く。何度でも言う。石油ストーブによる火事を減らすための実験では家まで燃やす、その偏執的な性格が文章に現れている。もっとも、その性格だからこそ、あれだけの仕事をし遂げることができたのだ。
「一戔五厘の旗」には、煎じ詰めれば以下が書いてある。
戦争は二度とゴメンだ。
労働は尊い。
生活は快適で美しくあるべきだ。
女は偉い。
特に印象に残ったのは「重田なを」、「千葉のおばさん」、「8分間の空白」。佳品は「漢文と天ぷらとピアノと」。
その「漢文と天ぷらとピアノと」に出てくる「サカナはイカてんだけ。お酌をするわけでなしお愛想をいうわけでもないが、それがかえってよいと、決まった客がある」店へは行ってみたい。しかし文章には昭和38年つまり58年前の日付がある。今は望むべくもないだろう。
このところ、たとえ短い時間でも、ひとりで飲みたい気分がある。今日もまた、夕食の始まる前に、ひとりで肴を整えて、ひとり静かに飲もうとしたところに孫が乱入してくる。一瞬にして、賑やか、である。
朝飯 菠薐草のおひたし、納豆、ひじきとパプリカの炒り煮、豆腐の玉子とじ、揚げ湯波の甘辛煮、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と長葱の味噌汁
昼飯 「ふじや」の冷やし味噌ラーメン
晩飯 蛸と蒲鉾の山葵和えレモンがけ、らっきょうの塩漬け、TIO PEPE、ブロッコリーとベビーリーフのサラダ、トマトと茄子のスパゲティ、Chablis Billaud Simon 2015、甘味