2021.7.10 (土) 行きつけ
「行きつけの店」という随筆集が山口瞳にある。とても美しい装丁の本だ。奥付の「一九九三年七月八日初版第四刷」からして、手に入れたのもそのころだろう。当時はamazonなど無かったから、僕はこれを定価の2,500円で買ったはずだ。本屋は小倉町の玉藻文庫だった可能性が高い。今、その場所は道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の駐車場になっている。
それはさておき今朝はこれを食堂の机に持ち来て何気なく開いてみた。鉢巻岡田の女将の接客についてのことが、そこには書かれていた。一読して「なるほどねー」と思わず声を漏らす。
行きつけの店には入りやすい。初見の店には入りづらい。初見で入りづらい随一は床屋ではないかと思う。
1982年から行きつけだった、住吉町の加藤理容所は2019年にオヤジさんが引退をして店を閉めた。以降は出張の折りなどに、学生のころにかかっていた本郷の床屋、あるいは新橋の大衆床屋で髪を刈った。また「コロナ以前」はタイへ行くたび床屋にかかった。しかし地元にも「行きつけ」を作らなければ、何かと便が悪い。
初見の店には入りづらいからいろいろと頭を巡らせるうち、オフクロが晩年に通っていた春日町2丁目のスティングが浮かんだ。初めてかかったのは今年の1月20日。今日で4回目になるだろうか。そして髪も髭も3ミリのバリカンによりさっぱりとして、10時13分に会社に戻る。
朝飯 めかぶの酢の物、納豆、豚薄切り肉とマッシュルームのクリーム煮、キャベツとベーコンの蒸し物、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、キャベツの味噌汁
昼飯 焼き鮭、昆布の佃煮、梅干、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 トマトとマッシュルームのスパゲティ、2種のパンと生ハムのムース、Chablis Billaud Simon 2015、チーズ、Old Parr(生)