2021.6.5 (土) 「サスガデスネ」
本日のお客様の、すべてお帰りになった頃合いを見計らって隠居へ出向く。そして床の間の室礼を確かめる。「汁飯香の店 隠居うわさわ」の花は家内が活ける。それに対して置くもの、飾るものは僕の選ぶことが多い。
その中には先ず、拾ってきたものがある。「タダで手に入って良かったですね」と言われれば「おっしゃる通り」だ。もっとも、それが落ちていそうな場所まで足を運び、更には「コレ」と感じるものが見つかるまで歩きまわる、という手間はかかる。
拾ってきたものの次は、もらったものだ。「買わずに済んで助かりましたね」と言われれば、これまた「おっしゃる通り」。ただしものをもらうとは、吉田兼好いうところの「物くるゝ友」に恵まれてはじめて成り立つ。
今朝より隠居の花は、サイトー君からもらった籠に活けてある。「カゴは気持ち悪くなるほど持ってるの。これ、隠居の床の間に似合いそうだから」と、何やら由緒のありそうな、艶やかなそれをサイトー君は昨年のある日、僕の目の前に差し出した。
サイトー君とは大昔に書いた「サイトー君のメルセデス」のサイトー君である。サイトー君のくれた籠を、僕はひと目で気に入った。「サスガデスネ」と思う。
朝飯 牛肉と牛蒡のすき焼き風、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、生玉子、茹でたブロッコリー、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、オクラの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、生のトマト、南瓜の煮付け、肉団子鍋、芋焼酎「妻」(前割のお燗)