2021.3.30 (火) 桜と緑
「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、これを開くことを決めたときから宇都宮の料理屋「了寛」のあるじタマキノリヒロさんの指導を受けてきた。開店準備のときには連続して何度も、そして以降も折あるごとに来ていただき、本職の考えや技術を教えていただいている。
そのタマキさんが料理長のイチムラさんと共に、今日は朝から隠居の厨房に入ってくれた。花見弁当の形を決めることが、今日の目的である。
家内や長男に2時間おくれて11時に隠居へ行く。染井吉野は見ごろ、山桜は涼やかにほころび始め、枝垂れはつぼみの紅色が濃くなってきた。藤の芽が膨らんでいる。黄色い水仙は、その柔らかな花弁にもかかわらず、開花から10日を経ていまだ元気だ。それらを見まわりつつ玄関の戸を引く。
厨房ではタマキさんが桜を思わせる弁当を、一方のイチムラさんは新緑を思わせる弁当を、それぞれ競うようにして作っていた。その様子は調理というよりも、音を選び、曲を組み上げていく行いのように、僕には思われた。
試食では、僕は「桜」を食べた。長男は「桜」と「緑」の両方を平らげた。この「桜」と「緑」は二段重ねでひと組になるのだという。販売の開始はいつになるだろう。
朝飯 菠薐草と榎茸のおひたし、焼き鮭、温泉玉子、牛蒡と人参のきんぴら、白菜漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、大根とブロッコリーの味噌汁
昼飯 「花見弁当」の桜の方
晩飯 「花見弁当」の緑の方、刺身湯波の「朝露」がけ、「清開酒造」の「夢ささら55%無濾過生原酒」(冷や)