2021.3.15 (月) 危ない兆し
2013年の秋に、自宅を大きく改装した。それまで足の踏み場もないほど溢れていた様々なものを、たとえば箪笥なら中味ごといくつも捨てるような、大胆な整理をした。環境は大きく改善され、とても気持ちの良い住まいになった。建築雑誌やテレビの「お宅訪問」のような番組を見ると、どの家も驚くほど片付いていてモノが無い。「そんな家が果たして現実にあるものだろうか」と疑問に感じていたが、自分の家も、そんな風になってしまった。
そこまで徹底してモノを捨てると、物欲が無くなる。僕も最小限主義者の仲間入りである。しかしそれから何年かが経つと、やはり欲しいものは出てくる。
焼酎は、あらかじめ水と混ぜておく「前割」をすると美味いと、つい数日前に知った。焼酎4、水6の比率で割った焼酎は徳利に入れて燗を付ける。ところで今ある徳利は300ccの容量で、僕の酒量にはちと足りない。最低でも2合は欲しい。
そうしてこれをウェブ上に探すうち「なぜこの壺がこれほどの安値で売られているのか」というものを古美術屋のページに発見する。「隠居の床の間の花瓶よりよほど良いじゃねぇか」と、目が吸い寄せられる。危ない兆しである。
朝飯 こんにゃくの甘辛煮、菠薐草の胡麻和え、生玉子、牛肉のすき焼き風、白菜漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、赤パプリカの味噌汁
昼飯 塩鰹のふりかけ、白菜漬け、ごぼうのたまり漬、塩鮭のお茶漬け
晩飯 菠薐草のおひたし、胡瓜と榎茸の酢の物、南瓜の煮付け、刺身湯波の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」かけ、大根と豆腐の味噌汁、大根おろしを添えた鰤の照り焼き、麦焼酎「麦っちょ」(前割のお燗)、苺、シュークリーム、Old Parr(生)