2021.3.9 (火) 塩鮭を焼く
「天網恢々疎にして洩らさず」から「のろまの三寸、馬鹿の開けっ放し」まで、オフクロの口から覚えた故事ことわざは少なくない。「餅は乞食に焼かせろ、魚は殿様に焼かせろ」も、そのひとつだ。
きのう買った塩鮭を、昼食のために焼く。魚を焼くときにはいつも先の「魚は殿様に焼かせろ」を思い出す。ガス台に設けられた魚焼き器の火は、もっとも弱いところに設定をする。そして切り身の四面それぞれを、ゆっくりと炙る。「炙るは英語では、使う道具が網ならグリル、天火ならローストだろうか。タイ語ではヤーンだわな」などと考えながら、塩を吹きつつある鮭をガラス越しに観察する。
「丸赤」の塩鮭は、ひと切れが税込で864円。スーパーマーケットなどで、その半値とか4分の1の値段で売られているものよりも、断然、安い。なぜ安いかといえば、塩が強いため、1度に指の先ほどしか食べられず、加えて量も多いため、ひと月ほどは楽しめるからだ。
今日はまた、昨年の11月29日に産まれた孫のシンの、お食い初めだった。僕はおでんで酒を飲みながら、赤飯と鯛には形ばかり手をつけた。
食後、本を読んでくれと、孫のリコが家内にせがむ。その、4歳のリコのとなりに座らせられたシンもまた、家内の開いた絵本を、わけの分からないまま眺めている。床に落とすなどの粗相が怖いから、シンのことは、いまだ1度しか抱いていない。とにかく、世界中の子供や赤ん坊はみな「元気で長生きすべし」と思う。
朝飯 じゃがいもとピーマンのサラダ、人参と蓮根のきんぴら、納豆、紅白なます、胡瓜とこんにゃくの中華風、白菜漬け、ごぼうのたまり漬、メシ、レタスの味噌汁
昼飯 揚げ玉、白菜漬け、塩鮭、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 菠薐草の胡麻和え、白菜漬け、紅白なます、「芦屋たのしや」の塩おでん、鯛の塩焼き、赤飯、「清開酒造」の「夢ささら55%無濾過生原酒」(冷や)、パウンドケーキ、Old Parr(生)