2021.1.23 (土) 必読というか
非常事態宣言発令中、とはいえ仕事が無くなるわけではない。早朝、扉の鍵を次々と解きながら、天井の明かり次々と点けながら製造現場に入る。白衣や帽子や手袋は、きのうのうちから用意してある。そして週に幾度となくある仕事に従う。壁の温度計は摂氏6度。前日に一切の作業が為されなかった1月2日の朝、という特殊な日を除いては、製造現場が石室のように冷え込むことはない。
来月10日から16日までのあいだ日本橋高島屋で開かれる「老舗名店味紀行」で、上澤梅太郎商店は出張販売をする。それをハガキでお知らせするお客様の、顧客名簿からの抽出は、今月10日に行った。その、50音順に整列したそれを、ふたりの事務係は普段の仕事をしながら確認してきた。今日はツブクユキさんより、その名簿を郵便番号順に並べ替えるよう頼まれる。彼女たちはこうしてまた、お送り先を精査するのだ。
閉店時間がちかくなるころ雪がちらついてくる。販売主任のハセガワタツヤ君が駐車場に融雪剤を撒くあいだは店番をする。そこに包装主任のヤマダカオリさんが来たため、明日の、らっきょうの大袋は幾つ作るかの確認をする。
夕食の前に軽く飲みながら、今日とどいたばかりの「甦るインドシナ半島のやきもの」を開く。五島美術館が1986年の展覧会に合わせて発行したこの図録の解説は、島津法樹が書いていた。彼による旅行記は、南アジアの文物を好む人には必読の書と思われる。というか、べらぼうに面白い。「読まずに死ねるか」である。
朝飯 蓮根と人参のきんぴら、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、煮奴、めかぶの酢の物、広島菜漬け、ごぼうのたまり漬、大根のゆず風味漬け、メシ、白菜とベーコンの味噌汁
昼飯 塩鰹のふりかけ、蓮根と人参のきんぴら、大根のゆず風味漬け、ごぼうのたまり漬、なめこのたまり炊のお茶漬け
晩飯 チーズ、TIO PEPE、ベビーリーフのサラダ、スパゲティミートソース、Petit Chablis Billaud Simon 2016、煮リンゴのマスカルポーネチーズ添え、Old Parr(生)