2021.1.15 (金) なめこを炊く
「日光味噌のたまり」に熱を加えたときに特有の、何ともいえず香ばしい匂いが漂ってくる。いよいよなめこが炊き始められたらしい。僕は事務室を出ていそいそと蔵へ行く。そして鍋の「たまり」の中で入念に、丁寧に攪拌されているなめこの様子を見る。
大粒のなめこを「日光味噌のたまり」でコトコトと炊き上げると「なめこのたまり炊」ができあがる。上澤梅太郎商店の売れ筋は、圧倒的に「らっきょうのたまり漬」だ。しかし僕が子供のころから今に至るまでもっとも喜んで口にするのは「なめこのたまり炊」である。
「なめこのたまり炊」の仕込みは冬を選んで行われる。記録によれば、2012年すなわち東日本大震災の翌年からは毎年、松が明けてすぐ、1月の第2週より開始をしている。仕込みの日を前倒しすることにより、増産を目指したのだ。
午後、4階の食堂にいるところに長男が、今日の一番鍋から抜き取った「なめこのたまり炊」を見本として持って来る。それを舌の上に載せてみれば、すこし塩分濃度が低いように感じられた。明日、冷えたところでもういちど試食をしてみようと思う。
朝飯 生のトマト、納豆、菜花のおひたしを添えた鯛の煮付け、めかぶの酢の物、広島菜、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、蕪と胡瓜のぬか漬け、メシ、白菜と揚げ湯波の味噌汁
昼飯 鰯の生姜煮、広島菜漬け、塩鰹のふりかけ、柴漬け、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 はんぺんと三つ葉の吸い物、「みとや寿司」の握り鮨、2種の天ぷら、「白糸酒造」の「田中六十五」(冷や)