2020.11.25 (水) 十月桜
事務机の左手に提げたカレンダーに「9:45 神社」の文字がある。秋季小祭つまり新嘗祭は10時より始まる。だからその15分前には神社に着いているべしという、それは覚え書きである。
白いシャツにウールのネクタイを締め、ツイードの上着を着て自転車に乗る。総鎮守瀧尾神社には、既にしてほとんどの人が集まっていた。ほとんどの人とは宮司をはじめとして旧市街各町内の自治会総代、神社総代、神社世話人の面々である。
瀧尾神社のお祭りは、少子高齢化の中、これからも長く続けられていくことを最大の目的として、規模の縮小と内容の簡略化が、ここ数年のあいだ続けられてきた。祝詞の奏上こそ正式でも、社務所での直会は省かれ、神事の後は拝殿で猪口1杯のお酒をいただき、お開きになった。
17時30分の閉店後、店に3台ある金銭登録機を締めているところに長男が来る。そして「なめこのたまり炊」の在庫が逼迫してきていることを知らされる。「なめこのたまり炊」は、僕が子供のころから今に至るまで、上澤梅太郎商店の商品の中ではもっとも好むものだ。
「なめこのたまり炊」については今年の春、新型コロナウイルスによる感染者が徐々に増えていく中で、僕は生産調整を提案した。それを覆したのは長男である。今となってみれば、例年どおりの量を製造したことは誤りでなかった。
材料を供給してくれているふたつの組合には年末のうちから、来年初の納品計画を伝えておく必要があるだろう。
朝飯 切り昆布の炒り煮、納豆、温泉玉子、菠薐草のおひたし、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、牛蒡と人参の煮物、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 蕪のすり流し、ブロッコリーのサラダ、蛸と胡瓜の酢の物、鮪の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、「片山酒造」の「原酒」(冷や)、今週末から「汁飯香の店 隠居うわさわ」でお出しする予定の柿羊羹