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清閑 PERSONAL DIARY

2020.11.24 (火) 大貫屋リスペクト系

大貫屋の皿には「和洋中」の文字がある。和とは多分、天丼、かつ丼のたぐいだ。洋とはポークソテーやオムライス、そして中はチャーハンやラーメンを指してのものだろう。つまり僕の好きな大衆食堂である。その大貫屋が今年いっぱいで店を畳むと、先日、facebookのどこかで目にした。

たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」をチャーハンの具にすると美味い。上澤梅太郎商店のパンフレットには、調理例の写真が載っている。そのチャーハンは、大貫屋リスペクト系とでも呼ぶべきものだ。

パンフレットやウェブショップに載せる料理はここ数年来、フジムラキミヒロさんに頼んでいる。僕と長男はあるとき、そのフジムラさんを大貫屋に同伴した。そしてチャーハンを食べてもらった。港区南青山のスタジオで調理、撮影をされても、それはナルトの入った大貫屋リスペクト系チャーハンである。

大貫屋で昼食の後、代金を支払いながら、噂の真相を確かてみた。厨房の女の人ふたりはオカミさんの顔を見た。オカミさんは困ったような、曖昧な笑みを浮かべた。そして3人は一斉に、今度はテレビ正面の特等席で焼酎を飲んでいるオヤジさんへ視線を向けた。

オヤジさんは毎日、13時には出前を済ませて店に戻り、ちょっとしたおかずを肴に焼酎の水割りを飲み始める。黄色いタオルで鉢巻きをしたオヤジさんは、齢80を目前にして階段も昇りづらく、出前のできかねるからだになった。若い人の世話になるわけにもいかない。今年いっぱいですっぱり引退をする。長いあいだ世話になったと、上機嫌で語った。

その朱に染まった、このオヤジさんには珍しい晴れ晴れとした顔を目の当たりにすれば「だったら出前だけやめれば」などとは言えない。年内はせいぜい、足繁く通うことにしよう。


朝飯 人参のきんぴら、納豆、春菊の白和え、蓮根のきんぴら、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、蕪の浅漬けゆず風味、メシ、かき揚げと雪菜の味噌汁
昼飯 「大貫屋」のオムライス(ケチャップはかけないでね特注)
晩飯 平貝の刺身ラーメン鍋、「片山酒造」の「原酒」(冷や)


美味しい朝食のウェブログ集は、こちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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