2020.10.17 (土) 「どうなんでしょう」
朝、目を覚まして枕頭からiPhoneを拾い上げる。facebookの中で、顔を見知った幾人かが大阪の「たこ梅」でおでんを食べている。「たこ梅」と聞けば、からだのどこかが反応しないわけにはいかない。
1986年から現在までの「10年間に食べた中でもっとも美味かったもの」を、僕は覚えている。それは以下だ。
1986~1995年の10年間では「たこ梅」の「さえずり」
1996~2005年の10年間では、ある晩の、家の湯豆腐
2006~2015年の10年間では「鮨よしき」の飛竜頭
こうして並べてみると、玉村豊男の「料理の四面体」を紐解くまでもなく、これらすべては「火に水の働きが介在してできる料理」つまり煮物である。だったら自分は焼き物、煮物、揚げ物、生ものと、4種に大別される調理法の中で、特に煮物を好むかと自問をすれば、そのようなことは無い。不思議な合一と考えるべきだろうか。
ところで今日は、隠居の床の間の絵を替えた。「常連様もいらっしゃることであれば、月に1度は替えるべし」という、長男の意見を容れたことによる。折しも恵比須講の季節である。よって少ない選択肢の中から、僕は大黒天の軸を選んだ。
軸の桐箱には「羅漢山人大黒天之圖 門外不出 上澤家什寳」と、物々しく書かれている。「オタカラなんですか」とお客様に訊かれたら「どうなんでしょうねぇ」と、曖昧に笑うしかないだろう。
朝飯 納豆、めかぶ、生玉子、みょうがのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、玉葱と人参の天麩羅の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 里芋の煮ころがし、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、生のトマトと刻みキャベツを添えた豚ロース肉の「日光味噌」漬け焼き、豆腐と浅蜊と長葱の味噌汁、栗焼酎「十三天狗の伝説」(お湯割り)、“BAKE”の”OIMON”、Old Parr(生)