2020.10.14 (水) 朝の店に夜に集う
僕のおじいちゃんやおばあちゃんが当時の古老や出入りの職人たちと写っている、およそ100年前の写真が残っている。そのとき板張りだった廊下には、その後、畳が敷かれた。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」のお客様の中には、テーブルを離れ、この広縁に座卓を置かせ、正座をして朝食をお召し上がりになる方がいらっしゃる。なるほど日本の庭は、欧米化された現在の目線より3、4尺ほども低いところから眺めるのが本式なのだろう。
上記からも分かるように、あるいは画像を伴わなくては分かりづらいかも知れないけれど、日本の伝統家屋は、とても大きな開放部分を持つ。その開放性に目を付けたのが、日本酒に特化した飲み会「本酒会」のイチモトケンイチ会長である。「三密が避けられる」というのだ。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」は朝食の店で、夜の営業は想定していない。よっていつもより1時間はやい18時30分に開会をすること、食器を洗う手間を省くため弁当箱で酒肴を提供することを条件として、調理係の家内は場所の提供を決めた。新型コロナウイルスによる非常事態宣言が出されて以降、8月まで5回も例会を流した「本酒会」は、こうして9月よりようよう、この隠居にて再開が叶った。
もっとも伝統家屋はその開放性により、冬はひどく寒い。11月からしばらくは、街の飲食店を用いた方が、居心地は良いだろう。第一、新型コロナウイルスの、栃木県における新規感染者は、1日にゼロ人か、せいぜいひとりだ。「そんなに怖がることもねぇじゃんか」と、僕などは思う。
朝飯 蓮根の梅肉和え、こんにゃく煮、納豆、ハムエッグ、ごぼうのたまり漬、メシ、レタスの味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 「汁飯香の店 隠居うわさわ」の酒肴あれこれ、鰺鮨、豆腐となめこの味噌汁、菓子、5種の日本酒(冷や)