2020.9.27 (日) 汁飯香
午前、事務室にいて寒さに耐えかね、半袖のポロシャツに半纏を重ねる。そしてその姿で店に立つ。
11時がちかくなるころから、特に外に注意を払う。11時を7分ほど過ぎたところで、駐車場に入ってこようとする、焦げ茶色の軽自動車に目の焦点を合わせる。「多分、あのお車だ」と、確信めいたものを感じる。軽自動車は、犬走りに歩み出た僕の目の前に停まった。
きのうの夕刻「汁飯香の店 隠居うわさわ」について、電話でお問い合わせをいただいた。その女性は27日つまり本日、隠居で一汁五菜膳をお召し上がりになることをご希望になった。そのお膳は仕込みの関係から、前日の15時までにご予約をいただかないと、お出しすることはできない。より簡素な汁飯香のお膳なら承れるとお伝えをしたところ、はじめて行くならおかずの付く方を食べたいと、一旦は電話をお切りになった。
しばらくするとおなじ女性から、また電話をいただいた。よって、簡素なお膳とはいえ味噌汁は地元の湯波と季節の地野菜、そして日光味噌による具だくさんのものであること、ごはんは地元の棚田米をお客様ひと組ずつ土鍋で炊き上げること、たまり漬を基本とする漬物は充分な種類と量を高台でお出しすること、汁飯香は何といっても和食の基本であることをご説明し、遂に本日11時のご予約をいただいた。
そのお二人を店から隠居までご案内し、後は家内とお運びのタカハシリツコさんにすべてを任せる。
「隠居」の閉店の14時を待って隠居へ歩く。するとちょうど仕事を終えた家内が、裏の柴折り戸から出ようとしているところだった。家内によれば、当該のお客様は満足と共にお帰りになったとのことだった。「良かった」と胸をなでおろす。そして「次は是非、早めにご連絡をいただいて、その時こそは一汁五菜膳を」とも思う。
朝飯 薩摩揚げの網焼き、納豆、「なめこのたまり炊」によるなめこおろし、ピーマンとソーセージのソテー、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、缶詰の鯖と長葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」のタンメン
晩飯 「魚登久」の胆焼き、鰻重、肝吸い、胡瓜のぬか漬けと沢庵、「片山酒造」の酒粕焼酎「粕華」