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清閑 PERSONAL DIARY

2020.9.19 (土) 壊れたロボット

「お墓には5時ごろ行こう」ときのう決めた家内は、起きて食堂に来るなり窓の外に目を遣り「まだ暗いね」と口を開いた。お墓には、30分ほどしてから出かけた。既に墓参りに来ている人たちを見て「老人は朝が早いわ」と家内が言う。「こっちも老人だっつーの」と返すと家内は笑った。

午後、一部の商品に売り切れが出ていると、道の駅「日光街道ニコニコ本陣」から連絡が入る。当該の商品を製造係のイトーカズナリ君に作ってもらい、ホンダフィットに積む。

会津西街道は、鬼怒川温泉へ向かうクルマで渋滞をしている。よって日光街道を下り、足利銀行の角から脇道に入る。

個人的には「枯れ葉マーク」と呼んでいる、高齢者を表すシールを貼った赤いクルマがこちらへ向かってくる。窓を開け、すれ違いざま「一方通行ですよ。そちらは逆行」と声をかける。「そうだよねー、ゴメンナサイ」とオバーサンは謝りながら、しかしそのまま進むことを止めない。「年寄りなんだから、少しは大目に見ろ」ということなのだろうか。ルームミラーで確かめると、オバーサンは日光街道に出るところで、今度は歩行者に注意を受けていた。

道の駅で商品の到着をお待ちいただいていたお客様に頭を下げる。業者用の駐車場から出て東郷通りを西へと戻る。すると向こうから、右に方向指示器を点滅させた、これまた枯れ葉マークを付けた赤いクルマが近づいてきた。どちらかの駐車場に入るのだろうか、あるは脇道へ折れようとしているのだろうか。先ほどとは別人ながら、やはりオバーサンは右のウインカーを光らせたまま直進し、やがてゆるいカーブの向こうに消えていった。

ふたりのオバーサンは、まるでリレーの焼き付いた産業用ロボットだ。そんな人たちが、街なかで普通にクルマを走らせているのだ。歩行者、特に子供は、よほど注意をしなくてはならない。「こっちも老人だっつーの」であれば、僕も気をつけなくてはならない。

明日の朝も早い。夕食は簡単に済ませて早々に寝る。


朝飯 「なめこのたまり炊」によるなめこおろし、細切り人参の炒り煮、冷や奴、納豆、すぐき、夏太郎らっきょう、メシ、若布と小松菜の味噌汁
昼飯 3種のおむすび
晩飯 スパゲティナポリタンPetit Chablis Billaud Simon 2016


美味しい朝食のウェブログ集は、こちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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