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清閑 PERSONAL DIARY

2017.2.13 (月) オータケさんの蕎麦

今でこそ「蕎麦の街・日光」ということになっているけれど、僕より年長の人には蕎麦嫌いが多かった。僕も子供のころは蕎麦を好まなかった。多分、むかしの蕎麦はそれほど美味くなかったのだ。もうひとつ、蕎麦は大昔においては仕方なしに食べる救荒食で、その記憶が長く引き継がれた可能性も否定はできない。

それが今は「蕎麦嫌い」など、どこを見まわしても存在しない。それは田舎の蕎麦も洗練され、劇的に美味くなったからだ。「蕎麦には野趣こそ大切」などと言ういわゆる「ツウ」に、僕の知る太くてボソボソのけんちん蕎麦を食べさせてみれば、「酢豆腐」の若旦那と同じく二度は求めない気がする。

「日本中のすべての蕎麦屋の蕎麦より上出来」とまでは主張しないものの、旅館「竹美荘」の蕎麦は美味い。それを先日7日の宴会の帰り際、あるじのオータケさんに伝えたところ「今度ぶって持ってってやっから」と言われた。ウチのあたりでは「打つ」を「ぶつ」と言う。

そのオータケさんが早くも今日、蕎麦を届けに来てくれた。2005年に亡くなったオヤジの、オータケさんは同級生である。僕は恐縮しつつその「10人前くらいあっから」という紙の箱を受け取った。

初更、その箱のフタを開けた瞬間「わー、綺麗」と家内が賛嘆の声を上げる。そうしてオータケさん言うところの「10人前くらい」の蕎麦を「美味いでしょ」「ホントにおいしいね」などと言い交わしつつ、家族4人で大切にいただく。


朝飯 しもつかり、ひじきと人参と揚げ湯波の甘辛煮、厚焼き玉子、納豆、揚げ湯波と小松菜の淡味炊き、胡瓜の古漬け、メシ、揚げ湯波とレタスの味噌汁
昼飯 「大貫屋」のオムライス(ケチャップはかけないでね特注)
晩飯 烏賊の塩辛4種の天ぷら、なめこのたまり炊によるなめこおろし、盛り蕎麦、「大七酒造」の「皆伝純米吟醸」(冷や)

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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