2020.8.9 (日) 豚の鼻を撫でる
「おたくのちかくに綺麗な青い花が咲いてますよ」と、人に声をかけられる。花は、いま立っている足元や、視線の先にあるものを愛でることはする。しかしわざわざ見物に行くことはしない。しかし人の勧めを無視することには罪悪感が伴う。よって気は進まないながら、その場所へ行ってみる。
凱旋門を小学校の校門ほどに縮めた感じのものが、行く手を阻んでいる。その向こうには、天然氷を作るための場所、つまりコンクリート製の、浅いプール状のものが広がっている。その正方形の一辺は、25メートルほどのものだろうか。そしてその、門のある正面を除く三辺に沿うようにして、背の高い植物が重なり合って育っている。
「青い花」と聞いてはいたが、花は、実際には濃い紫だった。その色は葉陰の深緑と重なり合って、遠目には良く見えない。そして、特に綺麗とも思われない。
離島にある、サッカーの強豪校の入学試験を受けている。受験生は4人。筆記試験、作文に続いてサッカー部の部長の面接を受ける。4人のうちひとりは監督の質問が難しかったか、考えることに疲れて眠ってしまった。
僕はサッカーのユニフォームを着てグランドにいる。部員たちのサッカーシューズの先端には、長さ20センチほどの、金属製の鋭い突起が取り付けられている。自分がこの部の中で、選手として生き残っていけるとは、僕はとうてい考えていない。
濡れた洗濯物を背中にうずたかく積み上げた豚を伴って、女の人が歩いてくる。豚の鼻先を撫でたい気持ちが僕にはある。しかし豚が暴れ、洗濯物が地面に振り落とされるようなことがあっては一大事だから、遠くから眺めるだけに留めておく。
目を覚まして枕の下からiPhoneを引き出す。時刻は3時28分。鳥はいまだ、啼き始めていない。
朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、炒り豆腐、筑前煮、らっきょうのたまり漬、発芽ニンニクの「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、メシ、二十日大根の味噌汁
昼飯 ざるラーメン
晩飯 蛸とトマトのリゾット、茄子とピーマンと鮪のソテー、Petit Chablis Billaud Simon 2016、桃の紅茶煮の杏仁豆腐