2020.7.15 (水) 送料
日本とは異なって、南の国には正札の無い例が目立つ。あるいはあっても、掛け値をしている。その値段の交渉、有り体に言えば値切ることを無上の楽しみとする人がいる。そのような人は、人と人との触れ合いが好きなのだと思う。
南の国ではまた、正札があっても、売り手がハナからそれを無視して、自分の理想とする価格を示してくることがある。メーターを備えながらそれを使わないタクシーなどは、その代表だろう。
僕は、旅先では心付けを渡すことを好む。しかしメーターを使わないタクシーは好まない。だからそのような運転手にはメーターを使うよう言う。それに従わなかった運転手には、ことインドシナにおいては、これまで遭遇したことはない。
メーターを使おうとしない運転手には、それを使うよう言う。しかし掛け値をしていると明らかに思われる商人と、丁々発止のやりとりをしながら値を下げさせようとする、ということはしない。それは多分、人との接触を、僕がそれほど好まないからだと思う。
そのような性格によるものかどうかは不明ながら、僕はウェブ上で買い物をすることが好きだ。ところが困ったことに、送料を支払うことは好まない。よって「〇円以上のお買い物については送料サービス」という店側の提案に、僕は乗りやすい。
味噌汁の出汁には煮干しを使う。煮干しは長崎の店で買ったり築地の店で買ったりする。先般、その築地の店で煮干しを買いながら、どうにか送料をサービスしてくれる水準まで買い物をしようとして、煮干しに加えて若布も買い物カゴに入れた。その若布には「ヤケに高けぇな」と感じる値段が付けられていた。しかし「健康のためなら死もまた辞せず」という人とおなじく、送料をサービスさせるためなら、僕は高い買い物も厭わない。
そしてこの若布を数日前から使い始めたところ「ヤケに高けぇ」どころか「ヤケに安い」ことが分かった。肉厚で歯ごたえの良いことに加えて、水にさらすと異常にかさを増すのだ。
そういう次第にて今朝も、その若布を流水にさらして塩を抜き、味噌汁の具にする。若布は、これから数ヶ月は、冷蔵庫の中で保つと思う。
朝飯 鮪の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け丼、オクラのおひたし、青葱の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、若布とアルファルファの味噌汁
昼飯 「金谷ホテルベーカリー」の2種のパン、コーヒー
晩飯 じゃがいもと胡瓜と鯖のサラダ、刺身湯波の餡かけ、キャベツの千切りとトマトを添えた串カツ、「渡邉佐平商店」の酒粕焼酎「SEIKAI ALCOHOL 77%」(ソーダ割り)