2020.6.24 (水) ムースーロー
大きなボウルの水に、梅の実が浸してある。今週末に「汁飯香の店 隠居うわさわ」で甘味になるものだ。ことし紀州の梅は壊滅的な不作と伝えられている。とすればこの立派な梅は、どこの産だろう。
山下洋輔の文章が滅法おもしろいと教えてくれたのは、後に同級生の中でいちばん早く亡くなることになるハセガワヒデオ君だった。面白ければ、その人の本はほとんどすべて舐め尽くすのが僕の流儀だ。同級生コバヤシヒロシ君の家の、野尻湖にある別荘にはじめて泊めてもらったときには「インド即興旅行」を持参した。
当時の山下の随筆には新宿の中華料理屋「石の家」のムースーローがやたらと出てくる。僕が生まれてこのかたもっとも満腹になったのは、この店でムースーローとライスと野菜スープを平らげたときだ。腹が満ちすぎると人は直立できないということを、僕はそのとき初めて知った。
特に目立った風味は持たないものの、その食感には不思議なものがある、という食材が好きだ。キクラゲももちろん、そこに含まれる。今朝はそのキクラゲが到来した。よって夜は家内にムースーローを作ってもらった。梅雨寒にて麦焼酎をお湯割りにしたが、白酒の方が似合ったかも知れない。
朝飯 茹でたブロッコリー、スペイン風目玉焼き、ごぼうのたまり漬、大根と人参と胡瓜のぬか漬け、メシ、鯖の水煮と玉葱の味噌汁
昼飯 「やぶ定」のカレー南蛮蕎麦
晩飯 胡瓜とオクラのナムル、白菜キムチを載せた冷や奴、菠薐草と海苔のおひたし、なめこの味噌汁、ごぼうのたまり漬、ムースーロー、麦焼酎「むぎっちょ」(お湯割り)、「久埜」の栗饅頭、Old Parr(生)