2020.4.27 (月) 最後の晩餐
オフクロとの最後の晩飯は、メンチカツとスパゲティサラダをおかずに炊きたてのメシを食べる、というものだった。「ワインは」と訊いたら「今夜はいいや」と遠慮をした。そうしてオフクロは翌日の昼に亡くなった。世の大半の人の最後の「糧」は、静脈に差し込まれた針からの点滴ではないか。こと最後の晩餐においては、オフクロも「以て瞑すべし」だと思う。
僕は、最後の晩餐にはビーフステーキが食べたい。きのうのそれは、正に僕ごのみの野蛮さだった。「こんなものを食ったら、眠っているあいだにポックリ死んでしまうのではないか」とさえ考えた。しかし今朝は普段どおりに目が覚めた。ちなみに僕は八代目橘家圓蔵とおなじく「安いお肉でいいんです」派である。
ところで「人はパンのみにて生くるにあらず」ということばがある。意味は分かるけれど、僕は食べ物のことばかりを考えている。「一汁五菜弁当」の明日の仕込みに必要な鶏肉を、長男は町内の精肉店「鳥秀」に注文した。それを追いかけるようにして僕も電話をし、冷凍する前の鳥レバ500グラムを個人用として発注する。
朝飯 菠薐草のおひたし、ベーコンとピーマンのソテー、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とズッキーニの味噌汁
昼飯 バターと杏のジャムとらっきょうのたまり漬のトースト、ホットミルク
晩飯 冷やしトマト、皮蛋、ハムとキャベツのサラダ、ごぼうのたまり漬、「大七酒造」の「皆伝純米吟醸」(燗)