2020.4.15 (水) 他にもある
日本経済新聞の土曜版には「NIKKEI プラス1」というおまけが付いてくる。先週のこれの「何でもランキング」は紀行文を採り上げていた。その1位は開高健の「オーパ」、2位は沢木耕太郎の「深夜特急」、3位は宮本常一の「忘れられた日本人」。第2面に行くと、4位は宮脇俊三の「時刻表2万キロ」だった。
今回のように、何年、何十年も前に出た本がふたたび日を浴びたとき、それをamazonで検索すると、当該の古書は大抵において、既に高騰している。宮脇俊三の「時刻表2万キロ」もしかり。しかしおなじ著者による僕にとっての一番は、東南アジアを巡った「椰子が笑う汽車は行く」で、その気持ちは今も変わらない。
5位の池澤夏樹「ハワイイ紀行」、6位の武田百合子「犬が星見たロシア旅行」、7位の星野道夫「長い旅の途上」、8位の北杜夫「どくとるマンボウ航海記」、9位の金子光晴「ねむれ巴里」、おなじく9位の幸田文「崩れ」まで、amazonではおしなべて新品は品切れで、古書は高くなっている。
このような際に、どうしても読みたい本があったなら、覚え書きをしておくことだ。市場に商品のある限り、値は数年で落ちつく。
もうひとつ、北杜夫なら「白きたおやかな峰」という傑作がある。こちらの古書は本日現在で130円、小田実の「何でも見てやろう」は140円、森枝卓士と石毛直道の「考える胃袋 食文化探検紀行」は172円、小泉武夫の「奇食珍食」は1円、増井和子と丸山洋平の「パリの味」も1円と、すこし視線を移しただけで、安値で買える、しかも上出来の紀行文、あるいはそう呼んで差し支えのない本は、いくらでもある。
高いときには買わなければ良いだけのことだ。二度と市場に出てこない可能性も、また否めないけれど。
朝飯 納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、大根おろしを添えた油揚げの網焼き、油揚げと蕪の葉の炒り煮、炒り豆腐、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とサラダ菜の味噌汁
昼飯 食パンのエッグベネディクト風、レタスと鶏肉とらっきょうのたまり漬のサラダ、コーヒー
晩飯 4種の茸のソテー、焼きトマト、じゃがいものグラタン、鶏肉のローズマリー焼き、トースト、San Pedro Castillo de Molina Sauvignon Blanc 2018、プリン、Old Parr(生)