2020.4.7 (火) あなたのそのような行いは珍しい
老人は、秋から初冬にかけての日の短くなる速度に似て、驚くほど早く衰えていく。幼子はそれとは逆に、春の野に芽吹く草とおなじように、あれよあれよという間に伸びていく。このところ、部屋は朝の5時より前に明るくなる。床に足で探らなくても、室内履きがどこにあるかはすぐに分かる。これから初夏にかけては、列島の、もっとも良い季節かも知れない。
新型コロナウイルスの封じ込めと経済の維持は、相容れない両端に位置する。相反する矛盾の、できるだけ高い次元における妥結は、上に立つ者の仕事だ。迷いに迷っていた政府が遂に、特に感染者の多い地域に緊急事態宣言を出すという。それを受けて本日は、予定していなかった場長会議を開いた。事態は日、一日と変わる。様々な局面を考えながら、素早く行動をしていかなければならない。
それにしても、3歳の孫の、日本語の上達ぶりには目を見張るものがある。昨夜、食後の葛まんじゅうに添えようと、食器棚から卓上にオールドパーの瓶を持ち来たときには「出た、ウイスキー」と言われた。今夜、薩摩芋の蜜煮をそっくりそのまま孫に譲ると「ジージがそういうことをするのは珍しいね」と言われた。
隠居の庭には今、青く、小さく、地味なスミレがたくさん咲いている。
朝飯 飛竜頭と大根の炊き合わせ、納豆、菠薐草と榎茸のおひたし、切り昆布の炒り煮、蓮根のきんぴら、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と小松菜の味噌汁
昼飯 揚げ湯波と長葱のつゆで食べるざるうどん
晩飯 豆腐と若布の味噌汁、水菜とレタスのサラダを添えた豚しゃぶと鰹のたたき、薩摩芋の蜜煮、クレソンの天ぷら、「大七酒造」の「皆伝純米吟醸」(冷や)、葛餅