2020.4.4 (土) ゆうだい21
「汁飯香の店 隠居うわさわ」の4回目の営業日。早くも裏を返してご予約くださったお客様がいる。そのお客様には、家内や長男からだけでなく、僕からもご挨拶をしなければならない。そう考えて、開店の15分前に隠居の柴折り戸を押す。先週の雪の記憶からだろう、3台のストーブの焚かれた屋内は、すこし暑く感じられた。
土鍋で炊き上げるごはんには、種が一般に解放されてからいまだ10年しか経ていない新しいお米「ゆうだい21」を使っている。このお米については、先月13日の日記に書いた。納入してくれているヤギサワヒロシさんの棚田は、日光の中でも水稲用の農地としては標高の高い、高百地区にある。
先週に続いてご来店くださったオーツカミエコさんは本日、何とその「ゆうだい21」の開発者であるマエダタダノブ宇都宮大学名誉教授と共にお見えになり、先生を我々にご紹介くださった。「本職は偏執狂であるべし」との考えを持つ僕に、先生は卓上の味噌汁の存在も忘れて、このお米について存分に語ってくださった。というか、僕は味噌汁の冷めることを心配して、先生のお話を一旦、止めさせていただいたかも知れない。「もうひとつ、お訊きしたいことがあった」と長男が残念がったのは、先生がお帰りになってからのことだ。
とにかく「ゆうだい21」、更に言えばこれを高地の棚田で作るヤギサワヒロシさんと長男の、ことし2月の出会いは幸運だった。明日も、土鍋は朝から休まない。庭の枝垂れ桜は、今日から3日のあいだには、いまだつぼみのままだろう。
朝飯 菠薐草のおひたし、切り昆布の炒り煮、納豆、ベーコンエッグ、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と長葱の味噌汁
昼飯 バターと杏と無花果のジャムとらっきょうのたまり漬のトースト、ホットミルク
晩飯 ズッキーニと擂り胡麻の味噌汁、トマトとベビーリーフのサラダ、コロッケ、Petit Chablis Billaud Simon 2016