2020.3.29 (日) とても暖かい
3時台に目を覚ます。日光地方に大雪注意報の出たことを、iPhoneに浮かび上がったニュースが伝えている。起きて窓際へ歩き、カーテンをずらして外を見る。水銀灯に照らされて、雪が静かに降り始めている。日光でも我が今市地区に限っては、それほど積もらないような気もする。
本日の朝食は4時55分。その内容は「戦闘食」とでも呼べそうな簡単なものだった。家内は5時28分に隠居へと去った。おなじ時間に僕は製造現場へ降りようとして、裏玄関の扉を開ける。不意に長男が外から戻ってくる。そして雪かきに取りかかるべく、ふたたび外へと出ていった。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」の、雪の払われた石を踏みながら、朝からお客様がお見えになる。とても有り難い。今日のお客様は、ある意味で幸運でいらっしゃったかも知れない。雪に桜の景色は、そうそう愛でられるものではないからだ。于武陵の「勧酒」の「花発多風雨 人生足別離」に井伏鱒二は「ハナニアラシノタトヘモアルゾ サヨナラダケガ人生ダ」の訳をつけた。中国に桜があれば、詩人たちはこぞってこの花を謳ったにちがいない。
控えの間に、お客様のさんざめきが聞こえてくる。きのうの日記にも書いたことだが、何とも嬉しい気持ちになる。今朝にご予約をくださった若い女性のお二人は、奥の杉の間に落ちつかれた。僕はほどのよいところで戸を引き、時間を気にせずゆっくりしてくださるよう、お伝えをする。
外は雪でも、築150年の伝統家屋の内側は、とても暖かい。
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「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、築150年の伝統家屋で朝食をお召し上がりいただくお店です。営業日は毎週(土)(日)(月)の3日間、営業時間は朝8時30分から14時、オーダーストップは12時30分です。
ごはんは、日光の棚田で収穫されるお米「ゆうだい21」を、土鍋で炊き上げます。吸水に40分を要しますので、ご予約をいただければ幸いです。なお一汁五菜膳につきましては、前日までのご予約を、お願いしています。
電話番号は0288-25-5844(日光ごはん良し)です。営業日以外には、上澤梅太郎商店(0288-21-0002)でも、ご予約を承ります。
朝飯 生玉子、焼き葱の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、椎茸と筍とレタスの味噌汁
昼飯 バターと杏と無花果のジャムとらっきょうのたまり漬のトースト、紅茶
晩飯 根菜類と茸のスープ、キャロットグラッセと粉ふきいもを添えた鯛のバター焼き、Veuve Olivier & Fils Carte d’Or、クッキー、Old Parr(生)