2020.2.28 (金) 日本にいては叶わない
あさっての夜に羽田空港へ行く。そして日が変わって20分後のタイ航空機に乗る。そろそろ荷物を作らなければならない。
旅における、もっとも大きな楽しみは本読みだ。「本など、どこででも読めるではないか」と言われれば、本はプールサイドの寝椅子で、あるいは地元の人の集うメシ屋で読みたい。日本にいては、それが叶わないのだ。
これまでインドシナへ出かけるときには、ほとんど決まって、ベトナム戦争に関する本を読んできた。なぜベトナム戦争かといえば、小学生のころから高等学校を出てもなお、それが新聞やテレビで伝えられない日はほとんどなく、それらの活字や映像が自分の中に沈潜、蓄積をされていったせいかも知れない。
そのような本を持ちながら、なぜベトナムではなくタイなのかと問われれば、これまで何度か訪れたベトナムには雰囲気として「勤勉」があり、対してタイの、特に田舎には緩やかな空気が満ちているからだ。神経の慰撫には「勤勉」より「緩やか」さの方が断然、環境としては優れている。
今回は、石川文洋の「ベトナムロード」を選んだ。帯には「戦場カメラマン石川文洋が見た統一13年目のベトナム」の文字がある。これを僕は1988年に初版で手に入れ、しかし32年ものあいだ本棚に温存してしまった。それは、これも含めた多くの本は「将来、インドシナに行ける日が来たら、そのときこそ現地で読もう」と考えたからだ。ベトナムはそのあいだに「統一44年目」を迎えている。
「ベトナムロード」は参考文献の列記も含めて348ページ。本読みに費やせる日数は7日間。活字が尽きれば旅の愉しさは半減する。予備の本は、何にしよう。
朝飯 胡麻豆腐による冷や奴、鮭の焼き漬け、なめこのたまり炊によるフワトロ玉子、蓮根のきんぴら、トマトとレタスのサラダ、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、揚げ湯波と大根の葉の茎とのげ海苔の味噌汁
昼飯 バターとママレードと無花果のジャムとらっきょうのたまり漬のトースト、ヨーグルト
晩飯 「バーミヤン」のあれこれ、紹興酒(常温)