2020.2.21 (金) 隠居の普請の最後のところ
事務机の左手に提げたカレンダーの、今日のところに「13:45 神社」の文字がある。よって昼食のための休みはいつもより早めに取ることにした。食後は白いシャツを着て赤と紺と緑の格子模様のネクタイを締め、ツイードの上着を着る。
冬の難点は服を重ねなければならないところと、何日か前の日記に書いた。英国製やオーストリア製の毛の上着は特に、暖かいことは暖かいものの、まるで鎧のように重い。
総鎮守瀧尾神社の鳥居をくぐって参道の石畳を行く。社務所の玄関には、既にしてたくさんの靴があった。僕が小学生のころまでは「今市時間」と、街の名を冠したことばがあった。これは、定刻を30分すぎてようやく人の集まることを指した。今はむかしの物語である。
本日は初会議。初会議とは、瀧尾神社の今年度のお祭を取り仕切る当番町が、それにかかわる役員を全町内の三役に紹介し、また諸々の報告、発表をして、参加者の賛同を得る集まりだ。今年の当番町は大谷向町。僕は責任役員として挨拶をさせていただいた。
神社の直会には日本酒が付きものだ。僕は小さな猪口に3杯ほどをいただいたろころで、周囲に、また大谷向町の方々に挨拶をして席を立った。時刻は14時を20分ほど回っていたように思う。
着替えて15時30分に隠居へ行く。そして家内、長男、本日より販売係から隠居の仕事に配置転換をされたタカハシリツコさん、そこにオタニ建具店のオタニさんに加わっていただき、普請の最後のところについて、打合せをする。また「汁飯香の店 隠居うわさわ」が開店すれば、お客様の出入り口になる辰巳に面した門に、暖簾かけを設ける件につき、現場の採寸をする。
隠居の建物は、先祖が遺し、おじいちゃんが増築をし、オヤジとオフクロがほぼ元の姿に戻した。そこに長男が修業から帰って以降、新しい息が吹き込まれつつある。最初は混乱もあるだろうけれど、ここを訪れる方々が楽しく過ごせる空間を、どうにかして創り上げていきたい。
朝飯 トマトのスクランブルドエッグ、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、きのうの鍋の残りによる味噌汁
昼飯 バターとママレードと無花果のジャムとらっきょうのたまり漬のトースト、ヨーグルト
晩飯 牛タンと白菜と人参のスープ、フランスパン、3種のパテ、Petit Chablis Billaud Simon 2016