2020.2.14 (金) タクシーでシンガポールへ行く話
警察の催しにオヤジと出かけて、町内の自動車整備工場「エガワ自動車」の脇まで戻ってくる。今日の移動手段はタクシー。オヤジはこのまま宇都宮へ行くという。それなら渡りに船だ。僕は夕刻の便で香港へ行く。宇都宮からは、羽田空港までのバスが出ている。
タクシーの運転手が、宇都宮へ向かう旨を会社に無線で知らせる。ところがタクシー会社の社長はそれを許さない。これほど陽気の良い日に宇都宮まで足を延ばすとは、ピクニックあるいはドライブで、それは仕事ではなく遊びだ、と言い張っているらしい。おかしな理屈もあるものだ。僕は怒り心頭に発し、その社長に電話を入れようとするが、うまく繋がらない。
事を荒立てる必要はない、運転は自分ですればいいのだと、オヤジはタクシーの運転席に着く。僕はスーツケースをトランクに収め、助手席のドアを開く。運転は自分でしながらタクシー料金は払うということに、僕はいまだ、釈然としない気持ちをかかえている。
タクシーはやがて宇都宮の街に達する。そこで小休止のため喫茶店に入る。強い日差しを避けるため、店のひさしは低い。薄暗く古ぼけた店の、簡素なテーブルに着く。客は白人ばかりだ。テーブルの真ん中には大きなガラス瓶があって、中にはバゲットが立ててある。左手ふたり目の女の人が、1本だけ残っていたそれをそこから取り出す。左隣の男の人は、そのバゲットに太く長いソーセージを挟み込んだ、巨大なホットドッグ状のものを食べている。
場所は、数十年前のシンガポールだった。喫茶店のオバサンが僕に近づいてくる。僕は熱いお茶を、なぜかタイ語で注文した。
眠りと覚醒の境界が薄れていく。枕の下でiPhoneが鳴る。時刻は5時。そこで、今日は製造現場に早朝の仕事のあったことに気づく。そして着替えて食堂に出て、先ずは湯沸かしの電源を入れる。
朝飯 鮭の焼き漬け、細切り人参の炒り煮、豚三枚肉と切り昆布の炒り煮、筑前煮、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐とクレソンの味噌汁
昼飯 バターとブルーベリージャムとらっきょうのたまり漬のトースト、ヨーグルト
晩飯 トマトとクレソンとマカロニのサラダ、刻みキャベツを添えた牡蠣フライと鶏の唐揚げ、Petit Chablis Billaud Simon 2016、チョコレート、Old Parr(生)