2020.2.10 (月) 冬の景色
1982年から行きつけだった、住吉町のカトー床屋が昨年、店を閉めた。行きつけの床屋を換えるとは、行きつけの飲み屋を換えるよりも、ことによると難しい。オヤジさんが店を休みがちになった最後の1、2年から、新橋の大衆床屋をしばしば使うようになった。僕の仕事はほぼ年中無休で、決まった休みは無い。東京まで出てしまえば電話がかかってくることもなく、心も落ちつこうというものだ。
下今市07:45発の上り特急スペーシアに乗る。幾駅か過ぎたところで、すこし後ろの席の老人が、電話で誰かを責め始めた。「自分は4号車が良かったのに、そこは満席と、5号車に回された。しかし乗り込んでみれば、4号車には空席がたくさんあるではないか」と、くどくどと駅に苦情を述べ立てている。列車内での電話による通話は、デッキ部分に限られている。老人は、自分の正義にのみ忠実な人なのだろう。というか、こういう手合いは老人にこそ多い。
10時すぎに大衆床屋へ行く。待ち客は8人。ここできびすを返せば、次の機会は数週間後になるだろう。30分ほども待ってようやく僕の番になる。散髪は、カトー床屋の半分以下の、40分ほどで完了。そこから有楽町、銀座、日本橋と経由をして、夕刻に北千住に至る。それらいずれの場所でも空は晴れ上がり、太陽の光は建物や人に直射して、目に見えるすべてを平板にしている。とても美しい、冬の景色だ。
朝飯 豚三枚肉と切り昆布の炒り煮、納豆、なめこのたまり炊によるフワトロ玉子、細切り人参の炒り煮、茹でたブロッコリー、ごぼうのたまり漬、沢庵の油炒め、メシ、菜花の味噌汁
晩飯 「天七分店」のあれや、これや、他あれこれ、チューハイ、それを濃くするための「ナカ」、日本酒(燗)