2020.2.9 (日) 孫よりも先に
夜明け前に製造現場に降りてはじめて、風の強く吹いていることに気づく。頭上から、屋根の風を切る音が聞こえる。蔵の、それぞれ北東と南西に面したシャッターが、大げさに言えば、アコーディオンの胴体のようにたわむ。それによって蔵の中の気圧が変わるのか、機械類を覆ったビニールシートが揺れる。このような夜を経た朝の掃除は、なかなか厄介だ。枯れ葉が、そこここに吹き寄せられるのだ。
風の強い朝はまた、空は綺麗に、鮮やかに澄むことが多い。今朝の空もその例に漏れず、雲は、東の彼方に少しばかりあるのみだった。
午前、食堂に森川七月の”& Jazz”を流しながら、1,000円札の新券と並券を50万円ずつ卓上に用意し、それらを交互に重ねていく。11曲目の”Your Song”の、歌詞が”So excuse me forgetting, but these things I do.”に差しかかったところで計100万円の釣り銭を作り終える。紅葉の時期ならいざ知らず、今はお客様も少ない。これだけあれば、こと1,000札に限っては、しばらく保つだろう。
夜は長男夫婦が留守にしたため、3歳3ヶ月の孫の面倒は家内が見る。夕食の後、風呂から上がって寝室に入ると、孫は僕の枕の横ではしゃいでいた。僕はいつものように横になり、天井の明かりが点いたままにも関わらず、即、眠りに落ちる。
朝飯 豚三枚肉と切り昆布の炒り煮、納豆、菠薐草のおひたし、細切り人参の炒り煮、沢庵の油炒め、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 バターと苺ジャムとらっきょうのたまり漬のトースト、キャベツと豚肉のスープ
晩飯 トマトとブロッコリーのサラダ、鶏肉とマカロニのグラタン、Petit Chablis Billaud Simon 2016、「久埜」の草餅、Old Parr(生)